先月行われた運動会、その裏にあった数々のドラマから１つ…

　4歳は感情がより複雑になり、葛藤の時代を生きています。運動遊びの中でも、負けたくないから走りたくない。負けるかもしれないと思ったら走れなくなった…そんな思いが交錯します。かけっこ…となると、とたんに動けなくなり、涙が流れしまう日々を過ごしていた子がいました。保育者は寄り添ったり、励ましたり、一緒に走ってみたり、手を尽くし応援するも、あと一歩がでません。運動会総練習の前日、泣いてしまう自分が悔しくて仕方がない様子、「自分の力を信じる！あなたはできる！」そう背中を押し、一緒に走ってみる、手を放して走ってみる…そうしているうちにバリン！そんな音が聞こえるかのように、自分から走り始めたのです。負けても笑顔。もう一回！とスタートラインに立つのです。

総練習当日、笑顔で走りぬいたその子に「もう涙はでないの？」と尋ねると、「もう泣かないよ。涙は昨日でおしまいにしたんだ」その瞳は自信に満ち溢れていました。

　子ども園の毎日はドラマチックです。

　季節は秋、子ども達の心にどんな実りがあるか楽しみでなりません。